社会福祉法人 共生の里
社会福祉法人共生の里

職員インタビュー

新しいことへの挑戦や提案ができる職場で
利用者の方々の能力が
もっと認められるような環境を作っていきたい

夢活動センター秋桜

作業療法士

安部 尊大

2021年1月入職

安部尊大の写真

利用者様の一般就労に向けて屋外作業に取り組んでいます

 リハビリ系の専門学校で作業療法士の資格を取った私は、病院の精神科で患者さんの作業療法を担当していました。
その中で将来的には「地域で障がいのある方々の『働く力』を伸ばすことや社会への挑戦をサポートさせてもらいたい」という気持ちがあり、同僚がひと足早く「共生の里」へ転職しました。話を聞いていくうちに職場見学をさせてもらったところ、職員同士の関係性など事業所の雰囲気がよく、法人の事業自体もまだまだ拡張し将来性があると感じ入職を決めさせてもらいました。

 本当のことを言えば入職するまで、経営理念にあるような職員の幸せを考慮してくれる職場が現実にあるのかと疑問がないわけではありませんでした。
しかし、退職金制度や昇給制度をはじめとする福利厚生も厚く理念どおりの職場だと感じ、仕事面でも法律や支援制度に関する知識がまったくなかった私に上司が「実践しながら覚えていけばいいから、そんなに心配しないでいいよ」とアドバイスしてくれるなど働きやすく、やりがいの持てる職場だと実感しました。

 現在は就労継続支援B型事業所「夢活動センター秋桜」で、おもに障がい者の方々と一緒に屋外での作業を行っています。内容は時期によっても異なりますが除草や庭木の剪定、引越、外構などさまざまで、数人のグループで対応しています。
私は責任者として大きな事故やケガがないように注意していますが、一方で一般就労に向けて利用者様ご本人にも気をつけてもらわなければなりませんので、そのあたりのバランスを取ることにも気を配っています。

安部尊大の業務風景

フラットな組織づくりを実感しています

 私は共生の里で働き始めてまださほど長くはありませんが、経験や立場などに関係なく新しいことへの挑戦や提案を受け入れてもらえていると感じています。

 たとえば、作業手順の見直しや事業所内の運営委員会の立ち上げなど実現させてもらいました。以前は利用者様が朝施設に来て当日の作業内容を聞くというのが一般的でしたが、現在は利用者様の適性に応じてグループを作るなど、人によってはある程度の期間を区切って作業を任せるというかたちにさせてもらいました。
 また、事業所内の運営についても利用者様による委員会を立ち上げ、食事のリクエストメニューを出してもらったり、レクリエーションについて話し合ってもらったりするようになりました。先日の委員会では八幡にできたジ・アウトレット 北九州へのバスハイクなどの企画なども出て、委員を務めている利用者様も楽しそうに話し合われていました。
 どちらも作業療法士としての経験をもとにした提案でしたが、利用者様にも喜んでもらえているようで、それが何よりでした。

将来は“農福連携”の実現もめざしていきたいです

 利用者様のうれしそうな顔を見ることができたといえば、ぶどう園での袋かけ作業も印象的でした。
 以前、草刈りを依頼してくださった方がぶどう園を経営されていて、ぶどう園での作業を何か引き受させてもらえないか、しばらくお願いしていました。ぶどうの房ごとに袋をかけてゆく作業は一見単純なようで大変でしたが、草刈りや剪定とは違って「ぶどう作り」という生産的な作業の一端を任せてもらえたということで、利用者様もいつもより喜々として作業されていた様子でした。自分が袋かけしたぶどうが収穫される時期が来るのを心待ちにされている方もいらっしゃるのではないかと思います。

 今はまだ、あくまでも個人的な思いに過ぎませんが、農業を営んでいる友人もいますので彼らの力も借りながら“農福連携”(農業と福祉の連携)を図って利用者の方々ができる範囲が広がればいいなとも考えています。

 障がいのある方であっても仕事の能力が高い方は少なくありません。私一人ができる支援は限られていますが、上司や同僚に相談しながら利用者の方々がもっと認められるような環境を作っていければと考えています。

安部尊大の業務風景